火葬の流れはどうなっているのか
通夜に続いて、翌日十時か十一時から告別式が行われます。故人の顔周りに花を詰めていき、最後にふたをはめて棺に遺体を納めます。次に霊柩車とバスで、ゆかりの場所を巡るなどしてから、火葬場に着きます。すぐに、棺が遺体を焼く機械(大きな引き出しのような高熱のコンロ)の中に入れられますが、最後に顔をみたり、祈りをささげるなどの時間があります。それも済んで、棺は焼く機械の中へ入っていきます。ふたが閉められて、火葬され、もう生身の体は永遠になくなってしまいます。その後、親族縁者は、別室で焼きあがるのを待つことになります。一時間まではかかりませんが、結構時間がかかります。知らせが来て、先ほどの機械のところへ集まります。
綺麗に焼けてかすかすになった骨や一緒に持たせたコインが、鉄板の上に原型を少し崩して横たわっています。これが人の最後の姿なのかと不思議になるくらい、骸骨の姿は別人に見えます。割り箸を用意して、箸から箸へ渡すようにして、骨壷へ入れます。この箸と箸をあわせる行為がこのときに行われるので、普段は縁起が悪いと言われ注意されるわけです。ほとんんどは、大きな壷へ入れますが、係りの人が先に小さな骨壷に喉仏と歯の骨を入れます。ふつに分けるわけです。体が大きかったり若い場合は、骨も大きくのようなことも太いので、壷に入れるために棒のようなもので押しつぶしていきます。骨が砕けるときに、音が鳴ってしまいますし、これは何となく家族にとっては、つらい作業です。
火葬の順番と仕組みはこのようになっています。骨の入った壷に布の袋をかぶせ、また斎場へ戻ります。そして、繰上げ法要と言って、七回忌をしてしまうことが多いです。親戚縁者には、ここで引き出物を持たせて礼をつくします。亡くなったときに、すでに魂のようなものは、遺体から抜け出ていると考えられますが、残った体を見ていると今にも動き出して、また元気な姿を親族に見せてくれるような錯覚に陥ります。実際、魂が戻ってきて生き返った例もありますので、そのような心もちになるのかもしれません。でも、火葬してしまえば、そのような可能性もゼロになります。物悲しい儀式ですが、明日を生きる家族・親族には割り切りができる儀式なのかもしれません。
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